目指すは地上戦闘シミュレーター、硬派なマルチ専用 FPS
開発: Tripwire
Interactive 販売: Valve
Software Bold
Games 2006 年 3 月 14 日発売
Red Orchestra: Ostfront 41-45 (以下 RO)は、第
2 次世界大戦の独ソ戦を再現するマルチプレイ専用 FPS です。従来のミリタリー FPS
のシステムを下敷きに、歩兵戦闘のディテールに徹底してこだわった作品で、数ある“リアル系” FPS
のなかでも独特の魅力を持っています。
販売価格は $19.95、ダウンロード販売(Steam)を利用すれば、今すぐにプレイできます。どんなゲームなのかな?と思われた方は
Red
Orchestra: Ostfront Teaser をご覧ください。
公式サイト
今後の予定、パッチ情報 (古い記事)
リンクに「晴耕雨読」さんを再掲しました。遅くなってしまって申し訳ありません。また、全体に見直してみて、意味不明だったり恥ずかしい部分がたくさんあったので、ちょっと直しました。(06/01/12)
リリースに至る経緯
数年前、ミリタリーとゲームの愛好家集団によって開発がスタートした Red
Orchestra は、当初 Medal of Honor
用の Mod としてリリースされるはずでした。しかし製作過程でプラットフォームを幾度か変え、最終的には Unreal
Tournament 2003 (後に 2004) の Mod
となります。100% アクションを重視した Unreal Tournament 2003 で、100%
リアリティ重視の Mod を製作する。一見、無謀な試みながら、RO
の目指す方向性は一定の支持を受け、リリースと同時に熱心なファンを獲得しました。
その後も RO はバージョンを重ね、着実に内容を深めていきます。2004
年夏〜冬にかけての大型アップデートでは、ついに戦車が登場し、その際 Red Orchestra: Combined
Arms と改名しました。RO に集まる注目は次第に大きなものとなり、2005 年初めには、各所で 2004
年度 Mod Of The Year 賞を受賞するまでに至ります(GameSpot DLX 他)。
Computer Games Magazine 2004 Mod of the year GameSpotDLX Best Mod Of 2004 Golden
Spanner Mod of the Year Awards Best Mod Award 2004 1 位 MSUC (Make
Something Unreal Contest) 優勝 Gamespy PC Special Awards Mod of the Year 次点
Epic 社の主催する Make Something Unreal Contest 2004
で優勝した開発チームは、その賞品として Unreal エンジン(2.5、 3.0)の使用権を獲得しました。彼らはこれを期に
Tripwire Interactive 社を設立、最初のプロジェクトとしてスタンドアローン版 RO
の制作に取り掛かります。独自に改良を施した Unreal エンジン 2.5
をベースに、一から作り直した旧コンテンツに数々の新要素を加えて、RO は再び大変貌を遂げました。こうして完成したのが
Red Orchestra: Ostfront 41-45 です。
どんなゲームですか
RO はどんなゲームですか、と聞かれてのデザイナーの答え: 「我々はただのミリタリーゲームではなく地上戦シミュレーター、例えば
IL-2
(フライトシム)の地上戦闘版と呼べるゲームを作りたい。そのために徹底したリサーチを行い、当時の歩兵戦闘にかかわったあらゆる要素の正確な再現を目指している」。
RO を簡単にご説明すると、第 2 次世界大戦を背景に、歩兵と戦車が入り乱れて戦う
FPS です。プレイヤーは各自ドイツ軍かソビエト軍に所属して、クラスを選び、死んでは突撃を繰り返しながら、チーム目標達成を狙います。競合作品に比べ際立っているのは、使い古された宣伝文句 「プレイヤーを戦場に放り込む!」 を、本気で実現しようとしている点。普通の
FPS ならウケを狙って妥協する部分でも、RO
はゲーム性を破壊しないギリギリまでリアリティを優先します。その試みはまだ途上、エンジンや技術力の限界に縛られ、成功している面もあれば、失敗している面もあります。それでも
RO は、一部の方に「こんな FPS がやりたかった!」と思わせるだけの、独自性と魅力を備えたゲームではないかと思います。
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| 東部戦線のみを扱う唯一の市販 FPS。10 のクラス、30 種類の武器、車両は 16
タイプ。最大対戦人数は 32 人。 |
狙い撃ちする手段はゆっくりと揺れるアイアンサイトのみ。自然と慎重な戦いに。窓枠などを利用しての依託射撃も可能。 |
“制圧効果”の再現。至近弾で視界が激しくぼやけ、爆発のショックで焼きつく。当たらない射撃も無駄にはならない。 |
RO
の特徴がもっともよく現れているのは、プレイヤーの能力の低さでしょう。このゲームでのあなたは、平凡な兵士にすぎません。動作はのんびり、走ればすぐ息が切れます。ジャンプでの攻撃回避や走り回りながらの戦闘は、まず不可能。弾に当たってしまえば一発でも命取り、かすめただけでも、恐怖で一瞬視力が奪われます。与えられる銃は強力ですが、癖が強く、反動や照準の揺れ、重力による弾の落下といった要素が、射撃を難しくします。
一言で言えば“超リアル系”。ゲーム的アレンジの少ない、厳しい味付けとなっています。プレイ中に求められるのは、マウスさばきだけでなく、
「兵士らしく戦うこと」。身体能力と攻撃力の低さを、判断力と戦術で補います。移動は常に遮蔽物を利用しながらこそこそと、チームメイトと互いにカバーしながら。敵兵を見つけ出しても、即座に撃てるわけではありません。土嚢に銃を委託して、慎重に狙いをつけて……お互い命中弾を与えられず、銃撃戦が長引くこともしばしばです。RO
にはスピード感や軽快さはあまりありませんが、かわりに制約を克服する楽しさと、たまらない緊張感とがあります。
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| ゲームの主役は無骨な単発ライフル。武器の細かい挙動と現実的な弾道計算が「射撃している感覚」を演出する。 |
将校が要請できる砲撃は、守備隊を壊滅させるほど強力な攻撃手段だが、回数が限られており、使いどころが難しい。 |
バイポッドを開いて援護射撃する機関銃手。味方との連携なしでは、勝利はおろか、生き延びることすら望み薄。 |
武器に注がれた情熱も、特筆すべき点でしょう。銃声、スペック、特徴の再現などはもちろんのこと、それぞれ実銃を元にモデリングされ、細かなアニメーションから構えたときのスケール感まで、それらしい感じがよく出ています。ライフルのボルト操作を手動で行う、同じ銃でも距離が離れれば銃声が変わる、手榴弾が稀に不発を起こす、銃身のオーバーヒート速度が気温の影響を受ける、といった凝り様には驚かされるばかり。当時の武器に詳しい方なら、それだけでも楽しめるかもしれません。詳しくない方も、適当に撃っているだけで「手応え」のようなものが感じられるほどの、素晴らしい作りこみではないかと思います。
当初 RO
は、歩兵のみに焦点を当てたゲームでした。しかし現在のバージョンでは戦車を初めとする車両も登場、大きな役割を果たします。戦車での戦闘は、突き詰めていけば複雑な処理が必要となるため、多くのゲームで簡略化されてしまうパートですが、ここでも
RO は姿勢を貫き通しています。装甲の貫通判定で距離と入射角が考慮されたり、キャタピラの破損が再現されている FPS
は、あまり見たことがありません(他に Battleground Europe
など)。現時点では荒削りで、戦車シミュレーターとまではいきませんが、FPS
としては破格の緻密さと言えるでしょう。
シミュレーター的な充実だけでなく、戦場の雰囲気を醸し出す演出のうまさも RO
の誇る点です。こだわりの戦闘システムに、悲壮さすら漂う精緻なマップの情景、そして迫力あるエフェクトやサウンドが加わって、相乗効果を生み出します。初めてプレイしたとき、陳腐ですが、本当に戦場に立っているかのような、ゾッとするほどの臨場感を感じました。
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| Basovka
駅の防衛線に突撃するドイツ兵。基本は陣地取り。すべての目標をキャプチャーすれば勝利。 |
史実を元に製作された 13
のマップ。廃墟の市街、工場内での銃撃戦、雪原の戦車戦、塹壕の死闘、舞台は様々。 |
対戦車ライフルで戦車の弾薬庫を狙い撃つ。歩兵の援護を失った戦車は、あっという間に対戦車兵の餌食となる。 |
リアリティを重視しすぎたゲームはつまらない、とよく言われます。しかし RO
はその限りではないでしょう。チーム戦ゲームとして楽しめるように、システムとマップ構造の両面で、じゅうぶん配慮されています。個々の兵士の戦闘能力が低い分、戦術を競い合うという意味でのゲーム性は、むしろ高いのではないかと思います。
RO
のマップは、歩兵のみで戦う小サイズの歩兵マップ、戦車が加わる中サイズの混合マップ、戦車戦に重点が置かれた広大な戦車マップの 3 タイプに分かれます。製品版にはそれぞれ 4、5 個、計 15 個のマップが含まれます。見通せる距離は、最大数
km (一部の戦車マップにて)。野外での戦いをテーマとするものがほとんどですが、障害物や建物があちこちにあり、接近戦も頻繁に発生します。
基本ルールは、よくある陣地取りシステムで、大勢で重要目標におしかけてキャプチャーを狙います。最大プレイ人数 32 人 +
広いマップという条件のなか、密度の濃い戦闘を可能にするため、死のペナルティはさほど重くなく、倒れてもすぐ前線復帰できます(例外あり)。攻める・守るべき場所は、どの局面でも少数に絞られ、兵士が戦場に散らばってしまうことはありません。全体として個人の生死よりも、「いかに前線を押し上げてチームを勝利に導くか」が重視されるデザインとなっています。
勝利条件を達成するために与えられる時間は短く、“キャンプ”行為だけではまず勝てません。機関銃が睨みを利かす防衛ラインをいかに突破するか、要所に押し寄せる敵をいかに撃退するか。支援砲撃を使うタイミング、戦車と歩兵の連携についても考える必要があります。どの状況にも突破口があり、その穴を衝けるかどうかはチームの結束次第。ラウンド終了のタイムリミットまで、両軍のチームワークと戦術が幾度も試されることになります。
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| 脇役のはずの戦車にも手抜きはない。内部構造や照準器から、各部の装甲厚、砲塔の回転速度まで再現。 |
複雑な戦車戦システム。装甲を貫通できるかどうかは、砲の威力、距離、装甲圧、命中角度で決まる。 |
クルーは最大 3
名。車長は砲手を兼ね、機銃手は車体機銃を受け持つ。機銃手以外はハッチを開けて索敵できる。 |
問題点も書いておきます。すぐ思いつくのは、高いクオリティと評価にもかかわらず、知名度が低くプレイヤー人口が少ないことです。このページを作った理由でもあります。グラフィックは、ご覧の通りあくまでそれなりです。マルチプレイ専用のうえに
BOT
の能力が低いので、オフラインでしか遊べないという方は、まったく買う価値がありません。その他、いくつかバグも報告されています。
また、シミュレーターと呼ぶにはおかしな部分、再現の足りない部分がまだまだあるかと思います。戦車がちょっとした障害物にスタックする(踏み潰せない)、壁の貫通が再現されていない、クルーの脱出時間、装甲貫通システムの矛盾点などがよく指摘されます。一方アクションゲームとしては、戦車マップ(戦車が大量に登場する広大なマップ)そのものに不満を持たれる方もおられるでしょう。確かに戦車戦は駆け引きがあって面白いのですが、時としてテンポが悪く、イライラさせられる瞬間があります。プレイ人数が少ないとき、人影まばらなオープンスペースを長時間歩き回ったすえに、機銃であっさりやられたりすると……。文句の付けづらい、よくできた歩兵戦部分とくらべ、戦車戦部分では、もう少し改良が必要ではないかとの印象を受けます。
開発チームは、発売後もバグ修正だけにとどまらず、ゲーム性の拡充に努めていくと約束しています。実際、2006
年 3 月 14
日の発売以来、短い期間に幾度もパッチがリリースされ、新マップや武器、車両など、多くのコンテンツが追加されてきました。また SDK
をリリースするなど、Mod へのサポートにも非常に積極的です。すでに現在では、ファンによって無数のカスタムマップが制作されており、大型
Mod プロジェクトもいくつか進行中です。Tripwire Interactive
とコミュニティの努力によって、少なくとももうしばらく、RO は発展を続けそうです。
(2007 年 1 月 12 日)
XASIS
GAME (A 5/6) IGN (8.5/10
Great) Editor's Choice Award Gamespot
(7.9/10 Good) Gamespy (4/5
Great) Worth
Playing (8.6/10) The
Wargamer
Metacritic.com (81/100
大手ゲームサイトのレビュー平均点)
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無料体験期間
以上、ひたすら絶賛してみましたが、私はすでに RO
に大きく思い入れがあるため、公平な評価とはいえません。海外ゲームサイトのレビューでも指摘される通り、RO
のプレイ感覚は一風変わっています。多少とっつきづらく、慣れるまでは爽快感よりもストレスの方が強いかもしれません。遊んでみたがまったく肌にあわない、という方もおられるはずです。
残念ながら RO には体験版がありません。購入前に RO を触ってみたいという方は、無料体験期間(Free
Trial Week)中にプレイされることをおすすめいたします。この期間中は、Steam
のアカウントを取るだけで、製品版とまったく同等の内容の RO を無料で遊ぶことができます。第 1
回無料体験期間は、2006 年 8 月 2 日〜 7 日の 6
日間でした。第 2 回があるのかどうか、それがいつになるのかはまるでわかりませんが、同じく Steam で販売されている
Day of Defeat: Source も、最近 2
度目の無料体験期間を盛況に終えたところです。まったくの推測ながら、将来大規模なパッチが公開される時に、合わせて再び無料体験期間が設けられるのではないかと思います。
第
2 回は 2006 年 12 月 8 日〜 11 日
でした。第 3
回に関しては、今のところ未定です。
英語に関して
RO
のマニュアルやゲーム内のテキストは、すべて英語です。しかし、マルチプレイ専用のアクションゲームですから、難解な表現や長文を読む必要はまったくありません。英語が苦手という方でも、プレイ自体に問題はないかと思います。RO
ランチャーとして使うことになる Steam には、日本語のメニューも用意されています。
マニュアルの和訳に取り組まれているサイト
必要スペック
| |
必要 |
推奨 |
| OS |
Win 2000 / XP |
- |
| CPU |
1.2 GHZ |
2.4 GHZ |
| メモリー |
512 MB |
- |
| ビデオメモリー |
64 MB |
128MB |
| ビデオカードの機能 |
DX9 に対応しているもの |
DX9 と PS 2.0 に対応しているもの |
| サウンド |
DX 8.1 に対応しているもの |
EAX に対応しているもの |
| その他 |
2 GB の HDD 空き容量 |
- |
メモリーは 1GB
以上あった方がよさそうです。それ以下ですと、長いローディングに苦しめられることになります。その点を除けば、RO
はそれほど「重い」ゲームではないでしょう。グラフィックの調整項目が豊富に用意されているので、推奨環境を完璧に満たさなくとも、問題なくプレイできるはずです。
どこで買うんですか
遊ぶために必要なもの: このサイトで扱う RO は、過去 UT2004 の Mod
として無料配布されたものではなく、最近製品として発売されたスタンドアローン(単体起動)版です。したがって必要なものは…
- Red Orchestra: Ostfront 41-45 (2500 円〜 5000 円)
- Steam
クライアントソフト とアカウント (無料)
お店で買った場合、Steam で買った場合、どちらの場合でも、RO のプレイには Steam が必要となります。
お店で買う: 他のゲームと同じように、店頭で箱入りの RO を購入します。日本での販売価格は 5000
円前後と、ちょっと高めです。実質的には、印刷されたマニュアルと箱、そして Steam で使う認証キーを買うことになります。以下は現在
RO を販売している国内通販店へのリンクです(一部)。
Ensof Ark Gamers-Inn iFeelGroovy
Steam で買う: Steam での購入にはクレジットカードが必要ですが、RO の値段は $24.95 →
$19.95、日本円で 2500 円弱、非常にお手頃です。RO 購入を考えられている方は、こちらの方法を強くおすすめいたします。
Steam
クライアントソフトのダウンロード(無料) Steam
版 RO 購入ページ(Steam 内のカタログと同一)
Steam は Valve 社の開発した PC ゲームのオンライン流通システムです。Half-Life
シリーズで大量のプレイヤーを捌いてきた Steam は、現在では比較的快適に使える信頼性の高いシステムとなっています。プレイヤーは
Steam のクライアントソフトをダウンロードし、アカウントを作成します。ここまでは無料です。Steam
を起動してカタログ画面からゲームを購入すると、遊ぶのに必要なデータと認証キーが送られてきます。認証キーは、あなたのアカウントにそのゲームを購入した旨を記録するためだけに使われます。マニュアル類は
PDF ファイルで配布されます。一連の流れは日本語で説明され、英語が読めない方でも利用できます(RO 自体は英語です)。
Steam
の利点としては、認証キーではなくアカウントでプレイヤーを管理するため、ユーザー名とパスワードさえ覚えておけば、世界中どこでも、どの PC
でも、購入したゲームを遊ぶことができます。またパッチのダウンロードと適用はすべて自動で行われます。ダウンロード販売サイトなどとは異なり、Steam
版だけ Mod が使えない、などといった心配もありません(そもそも RO には Steam 版しかありません)。
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